尿量計算機 (mL/kg/hr)

急性腎障害(AKI)の評価、輸液管理、小児の循環判定に用いられる時間尿量算出ツール。

算出された時間尿量

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mL / kg / hr
判定中...

時間尿量 (mL/kg/hr) の重要性とは?

臨床の現場、特に集中治療室(ICU)や救急外来、小児科において、尿量は「循環動態の鏡」と呼ばれます。心臓から送り出された血液が全身に十分行き渡っているか、特に重要な臓器である腎臓に十分な血流が届いているかを評価する最も簡便で確実な非侵襲的指標の一つだからです。

24時間の総尿量だけでなく、「体重あたり、1時間あたり」の数値に換算することで、体格の異なる患者(乳幼児から大男まで)を同じ基準で評価することが可能になります。

急性腎障害 (AKI) のKDIGO基準

国際的な診療ガイドラインであるKDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)では、以下の尿量減少が持続する場合、急性腎障害と診断します。

  • Stage 1: 0.5 mL/kg/hr 未満が 6〜12時間 持続
  • Stage 2: 0.5 mL/kg/hr 未満が 12時間以上 持続
  • Stage 3: 0.3 mL/kg/hr 未満が 24時間以上 持続、または無尿が12時間持続

成人と小児での基準の違い

成人の場合、時間尿量が 0.5 mL/kg/hr 以上あれば概ね良好と判断されます。しかし、代謝の盛んな小児や乳幼児(特に新生児)では、維持すべき尿量が成人よりも多く設定されるのが一般的です。

  • 成人: 0.5 mL/kg/hr 以上を維持
  • 小児: 1.0 mL/kg/hr 以上を維持することが望ましい
  • 新生児: 2.0 mL/kg/hr 以上が必要とされる場合もある

※本計算機での判定結果は成人基準(KDIGO)をメインとしていますが、小児の場合はより厳格な視点での評価が必要です。

乏尿 (Oliguria) と無尿 (Anuria) の定義

尿量が減少している状態には、その程度により呼び方が異なります。

  • 乏尿 (Oliguria): 成人において1日の尿量が 400mL 未満、または時間尿量が 0.5 mL/kg/hr 未満。
  • 無尿 (Anuria): 1日の尿量が 100mL 未満、または時間尿量が 0.1 mL/kg/hr 未満。

無尿状態は、腎動脈の閉塞、重度のショック、あるいは尿路の完全閉塞(結石や腫瘍)といった緊急事態を示唆しており、迅速な介入(輸液、利尿薬投与、透析の検討、導尿など)を要します。

尿量が減少する主な原因:3つの分類

尿量減少の原因を探る際、医師は以下の3つのカテゴリで思考します。

1. 腎前性 (Prerenal)

腎臓そのものは正常だが、腎臓に届く血液が足りない状態。脱水、大出血、心不全、ショックなどが含まれます。速やかな輸液等で改善する可能性があります。

2. 腎性 (Renal / Intrinsic)

腎臓の組織(糸球体や尿細管)がダメージを受けている状態。急性硝子体壊死(ATN)、薬剤性腎障害、糸球体腎炎などがこれにあたります。

3. 腎後性 (Postrenal)

尿は作られているが、出口が塞がっている状態。前立腺肥大症、尿路結石、腫瘍による圧迫など。カテーテル留置や外科的処置が必要です。

水分バランス(IN/OUT)管理の実践

尿量(OUT)を計算する目的は、摂取量(IN)とのバランスを評価することにあります。 「IN - OUT」を計算し、大幅にプラスなら浮腫(むくみ)や心負荷の増大、大幅にマイナスなら脱水の進行を予測します。特に心臓外科や整形外科の手術後、敗血症の治療中など、水分が劇的に変動する場面では1時間ごとの厳密な尿量チェックが欠かせません。

よくある質問 (FAQ)

Q. 短時間の尿量計測で判定しても良いですか?

A. 尿量は一過性に変動するため、診断には数時間(6時間以上)の持続的な観察が必要です。ただし、完全に尿が出ていない「無尿」の場合は、短時間であっても即座に報告・対応が必要です。

Q. 利尿薬を使っている場合の評価はどうなりますか?

A. 薬剤によって強制的に尿を出しているため、測定された尿量が必ずしも自発的な腎機能や循環状態を反映しているとは限りません。クレアチニン値や電解質、患者のバイタルサインと併せて判断します。

Q. カテーテルが入っていない場合、正確に測れますか?

A. 蓄尿瓶などを使用すれば総量は測れますが、時間ごとの正確な推移(特に1時間ごと)を追うには、尿道カテーテルの留置が標準的です。