Morse Fall Scale 計算機
客観的な指標に基づき、患者の転倒・転落リスクを迅速に評価します。
Morse Fall Scale (MFS) とは?
Morse Fall Scale(モース転倒スケール)は、1980年代にJanice Morse博士によって開発された、入院患者の転倒リスクを評価するための最も普及しているアセスメントツールです。 6つの重要なリスク要因を数値化することで、直感的な「危なそう」という感覚を排除し、チーム全体で共有可能な共通言語としてのリスクレベルを提供します。 日本の多くの病院でも、クリニカルパスや電子カルテの標準機能として組み込まれています。
各項目の判定基準と注意点
- 転倒歴: 過去3ヶ月以内に転倒がある場合、最も強力な再発予測因子となります。
- 二次診断: 入院理由以外に既存疾患(糖尿病、高血圧、認知症など)がある場合、全身状態の不安定さからスコアが加算されます。
- 歩行補助具: 車椅子や看護師による介助は0点ですが、家具にしがみついて歩くような不安定な状態は最高得点となります。
- 点滴の有無: 看護師の目からは当然の風景ですが、患者にとっては「管に繋がれている」ことで歩行のバランスを崩す大きな要因です。
リスクレベル別のアプローチ
合計スコアに基づき、一般的に以下の3段階に分類されます。
- 低リスク(0-24点): 基本的な転倒予防策を行い、環境整備に努めます。
- 中等度リスク(25-44点): 標準的な予防策に加え、滑り止め付き靴の推奨や、ナースコール位置の再確認などを行います。
- 高リスク(45点以上): 厳重な監視が必要です。離床センサーの活用、トイレ介助の徹底、場合によっては多職種カンファレンスによるケアプランの見直しを検討します。
インシデント防止に向けた多職種連携
転倒・転落は看護師だけの責任ではありません。薬剤師による「転倒リスクを高める薬剤(ふらつき、眠気)」のチェック、リハビリスタッフによる筋力維持・向上訓練、そして患者家族へのリスク説明など、多角的なアプローチが不可欠です。 MFSのスコアが高い場合は、スタッフステーションに視覚的なマークを掲示するなど、情報共有の仕組み作りが重要となります。
データに基づいた医療安全管理
MFSを導入する最大のメリットは、病院全体での「転倒発生率(1,000人日あたり)」などの統計データを、リスクレベルごとに分析できる点にあります。 「どのレベルの患者が、どの時間帯に転倒しやすいか」を可視化することで、夜間の巡回強化や、最もリスクが高い移動時間帯のサポート強化といった、戦略的な人員配置が可能になります。
まとめ:アセスメントの先にある「安全」
計算機で数字を出すことはスタートラインに過ぎません。その数字が示す「危険信号」を、具体的なアクション(ベッドの高さ調節、履き物の点検、こまめな声かけ)に繋げることが、患者さんのQOL(生活の質)を守ることに直結します。 Gojikaraのツールが、忙しい臨床現場における迅速な意思決定と、医療安全への意識向上の一助となることを願っています。