LM317電圧レギュレータ計算機

三端子レギュレータの回路定数をシミュレートし、正確な出力電圧を導き出します。

推奨: 120Ω〜240Ω
LM317 IN OUT ADJ R1 240 R2 1000 12V 6.46V
推定出力電圧
6.46V
注意:入出力電位差が 5.54V あります。大きな電流を流すと発熱が激しいため、ヒートシンクの使用を強く推奨します。
R1電流 (I_R1) 5.2 mA
最低負荷電流 達成済み
分圧比 (1+R2/R1) 5.17

LM317とは?:電子工作の不朽の定番

LM317は、1970年代に登場して以来、世界中のエンジニアや趣味の電子工作ファンに愛され続けている可変三端子レギュレータです。非常にシンプルな外付け部品(抵抗2本)だけで、1.25Vから37Vまでの任意の安定した直流電圧を作り出すことができます。

このデバイスの最大の特徴は、ADJ(調整)端子とOUT(出力)端子の間の電圧を常に一定の**「基準電圧 Vref = 1.25V」**に保つように動作する点にあります。この性質を利用して、出力電圧をプログラマブルに設定することが可能です。

出力電圧を決定する公式

LM317の出力電圧 Vout は、以下の公式によって導かれます。

Vout = 1.25 * (1 + R2/R1) + Iadj * R2
  • Vref (1.25V): デバイス内部で生成される基準電圧です。
  • R1, R2: 電圧を設定するための分圧抵抗です。
  • Iadj: ADJ端子から流れ出る微小な電流(約 50μA 〜 100μA)です。一般的な応用では省略されることもありますが、高精度な設計では無視できません。

設計時の重要なポイント:R1の選び方

データシートを読み解くと、LM317が正しく電圧を制御するためには、最低でも 5mA から 10mA 程度の**「最低負荷電流」**を出力端子から引き出す必要があることがわかります。

R1 に 240Ω を使用すると、1.25V / 240Ω ≒ 5.2mA となり、無負荷状態でもレギュレータを安定させるための電流を確保できます。これが、多くの回路図で R1 に 240Ω(または 120Ω)が使われている理由です。

熱設計:レギュレータの「天敵」は熱

LM317は「リニアレギュレータ」と呼ばれるタイプで、不要な電圧を**「熱」**として捨てることで電圧を下げます。

損失電力 (W) = (Vin - Vout) × 出力電流 (A)

例えば、12V を入力して 5V を出力し、1A の電流を流す場合、差分の 7V × 1A = 7W がレギュレータ本体で熱になります。7W の熱はヒートシンク(放熱板)なしではデバイスを数秒で過熱保護停止、最悪の場合は焼損させるのに十分な熱量です。

回路をさらに安定させるために

実用的な回路では、以下のパスコン(バイパスコンデンサ)を追加することが強く推奨されます。

  • 入力側 (0.1μF 程度): 入力源からのノイズを低減し、発振を防ぎます。特にレギュレータが電源から離れている場合に重要です。
  • 出力側 (1μF 〜 10μF): 過渡応答(急激な負荷変動への対応)を改善します。
  • 保護ダイオード: 出力側に大きなコンデンサがある場合、電源OFF時に逆流して壊れるのを防ぐために、IN-OUT間とADJ-OUT間にダイオードを配置します。

まとめ

LM317は非常に使いやすく、自作用の電源装置やバッテリー充電器などに最適です。本計算機で算出した数値をベースに、実機の測定値を確認しながら微調整を行うことで、理想的な電源回路を構築することができます。設計の際は、常に「電圧差」と「発熱」のバランスに気を配ってください。

よくある質問 (FAQ)

Q:出力電圧が 1.25V 以下になりません。

A:LM317 の構造上、最も低い出力電圧は内部基準電圧の 1.25V です。0V まで下げたい場合は、ADJ 端子に負電圧を与えるような特殊な回路構成が必要です。

Q:入力電圧 Vin は最大で何Vまで大丈夫ですか?

A:一般的な LM317 では「Vin と Vout の差」が 40V を超えないように設計する必要があります。例えば Vout が 5V なら、Vin は 45V までが上限です。