レンズの公式計算機
物体・像・焦点の距離を入力して、レンズが作る「像」の正体をシミュレートします。
レンズの公式とは?:光を一点に集める数学
幾何光学における最も基本的かつ重要な公式が、レンズの公式(写像公式)です。中学・高校の物理で必ず登場する以下の式は、驚くほどシンプルにレンズの性質を表しています。
1 / f = 1 / a + 1 / b
ここで用いられる各変数の定義を正確に理解することが、光学マスターへの第一歩です。
- $f$: 焦点距離。平行な光が一点に集まる距離です。凸レンズではプラス、凹レンズではマイナスの値を取ります。
- $a$: 物体距離。レンズの中心から、見ている物体までの距離です。
- $b$: 像距離。レンズによって像ができる位置までの距離です。プラスならレンズの右側(実像)、マイナスなら物体と同じ左側(虚像)になります。
実像と虚像の違い:何が「スクリーン」に映るのか?
レンズによって作られる像には、大きく分けて2つの種類があります。
1. 実像 (Real Image)
レンズを通過した屈折光が、実際に一点に交差してできる像です。映画のスクリーンやカメラのイメージセンサーに映るのはこの像です。物体が焦点より外側にあるとき、凸レンズによって作られます。像は必ず「上下左右が反対(倒立)」になります。
2. 虚像 (Virtual Image)
屈折光が広がり、それを逆方向に辿ることで見える「見かけ上の像」です。虫眼鏡で新聞を大きく見ている時、そこに指を置いても像は触れません。これが虚像です。物体が焦点より内側にあるときに作られ、像は「正立(そのままの向き)」で大きくなります。
レンズの倍率とイメージサイズ
像がどれだけ大きく(または小さく)なるかは、倍率 $m = -b / a$ で求められます。この公式におけるマイナス記号は向きを表しており、$m$ がマイナスなら倒立、プラスなら正立であることを示しています。
凹レンズ(発散レンズ)の役割
凹レンズは光を外側に広げる(発散させる)性質を持っています。焦点距離 $f$ が常にマイナスの値を取るため、どのような位置に物体を置いても、必ず物体よりも小さく正立した「虚像」がレンズの左側に現れます。これは主に近視を矯正する眼鏡のレンズとして活用されています。
結び:日常生活を支える光学の知恵
スマートフォンの高性能なカメラから、老眼鏡、そして壮大な宇宙を捉える天体望遠鏡まで、すべてはこの「レンズの公式」に基づいて設計されています。本計算機のビジュアライザーで、物体を動かして像がどのように変化するかを観察し、光が描く幾何学の美しさを感じてみてください。
よくある質問 (FAQ)
Q:計算結果が「Infinity(無限)」になることがあります。
A:物体をちょうど「焦点($a = f$)」に置いた場合です。このとき、レンズを出た光は平行になり、どこまで行っても交わらないため、像は結ばれません。
Q:レンズの厚みは無視していいのですか?
A:本ツールは「薄レンズ(Thin Lens)」近似を使用しています。実際のカメラレンズなどは複数の厚いレンズを組み合わせていますが、基本的な概念は薄レンズの組み合わせとして理解できます。