超幾何分布計算機

超幾何分布計算機です。

計算結果

超幾何分布の基礎:戻さない抽出の確率をマスターする

「100枚あるクジの中から10枚を引いたとき、3枚以上の当たりが含まれる確率は?」 このような状況を正確に計算するために必要なのが「超幾何分布(Hypergeometric Distribution)」です。 一度取り出したものを元に戻さない「非復元抽出(Sampling without replacement)」の確率モデルとして、実社会の様々な場面で利用されています。

1. 超幾何分布の定義と計算式

母集団(全体)の数を N、その中に含まれる特定の属性(成功)の数を K とします。ここから n 個をランダムに取り出したとき、その中に含まれる成功の数が k 個である確率は、以下の式で求められます。

P(X = k) = { KCk × N-KCn-k } / NCn

ここで nCr は「組合せ(Combination)」を表し、n 個の中から r 個を選ぶ方法の総数です。

2. 超幾何分布と二項分布の違い

統計学において良く似たモデルに「二項分布」がありますが、決定的な違いは「取り出し方」にあります。

  • 二項分布(復元抽出): 取り出したものを毎回元に戻します。確率は常に一定です。
  • 超幾何分布(非復元抽出): 取り出したものを戻さないため、残りの母集団の構成が変わり、次回の成功確率が変化します。

ただし、母集団 N が標本サイズ n に対して非常に大きい場合、超幾何分布は二項分布に近似していきます。

3. 期待値と分散の計算

超幾何分布に従う変数の平均的な期待値やばらつきも数式で求められます。

  • 期待値 (E[X]): n × (K / N)
  • 分散 (V[X]): n × (K / N) × (1 - K / N) × { (N - n) / (N - 1) }

分散の式にある { (N - n) / (N - 1) } は「有限修正事項」と呼ばれ、母集団が有限であることによる影響を補正する役割を持っています。

4. 実生活での応用例

  • 品質管理(抜取検査): 大量の製品ロット(母集団)から数個だけ検査して、合格か不合格を判断する際に、不良品が何個含まれるかを推定します。
  • 生態学の標識再捕法: 湖の魚の総数を推定するために、一度捕まえて印をつけた魚が、次回の捕獲時に何匹含まれるかを計算します。
  • カードゲーム・宝くじ: デッキからカードを引く、あるいは番号付きのボールを取り出す際、特定のカードや番号を引く確率を算出します。

よくある質問(FAQ)

Q: 標本の中の成功数 k が 0 の場合はどうなりますか?
A: KC0(1通り)を使用して計算されます。これは「一つも当たりを引かない確率」を意味します。

Q: パラメータの制約はありますか?
A: はい。k ≤ n かつ k ≤ K である必要があります。持っている数以上の当たりを引くことはできないためです。

Q: 母集団 N が無限大の場合は?
A: 母集団が非常に大きい場合、1つ取り出したことによる影響が無視できるため、計算がより簡単な二項分布を使用するのが一般的です。

まとめ:精緻な統計解析のために

超幾何分布は、私たちの周囲にある「有限な数」の中での偶然を解明する強力なツールです。 本計算機を使って、期待値や特定の範囲の確率を把握することで、リスク管理や戦略決定を客観的なデータに基づいて行うことが可能になります。