ヘルムホルツ共鳴計算機
空洞の体積と開口部の寸法から、共鳴する周波数(Hz)を計算します。
計算結果
ヘルムホルツ共鳴(Helmholtz Resonance)とは?
ビール瓶の口に唇を当てて息を吹き込むと、「ボー」という低い音が鳴ります。これが「ヘルムホルツ共鳴」の最も身近な例です。 空洞(空き瓶の中の空気)が「バネ」、開口部(瓶の首)にある空気が「重り(マス)」の役割を果たし、特定の周波数で激しく振動(共鳴)します。
計算式
共鳴周波数 $f$ [Hz] は以下の式で計算されます。
$$ f = \frac{v}{2\pi} \sqrt{\frac{A}{V \cdot L_{eff}}} $$
- $v$: 音速 [m/s] (通常 343 m/s)
- $A$: 開口部の断面積 [m²]
- $V$: 空洞の体積 [m³]
- $L_{eff}$: 実効ポート長 [m](物理的な長さ $L$ + 開口端補正)
応用例:バスレフ型スピーカー
オーディオの世界では、この原理を利用した「バスレフ(Bass Reflex)型」スピーカーが主流です。 スピーカーボックスに筒(バスレフポート)を取り付けることで、スピーカーユニット背面から出る低音のエネルギーをヘルムホルツ共鳴で増幅し、サイズ以上の迫力ある低音を再生します。 設計時にポートの長さや太さを調整することで、増幅したい低音の周波数(チューニング周波数 = $f_b$)をコントロールできます。
応用例:吸音設計
逆に、特定の周波数の騒音を「消す」ためにも使われます。 壁に穴の空いた板(有孔ボード)を取り付け、裏側に空気層を設けると、それが無数のヘルムホルツ共鳴器となります。 共鳴周波数付近の音が空気の摩擦によって熱エネルギーに変換され、吸音されます。 コンサートホールやスタジオで、特定の嫌な響き(定在波)を抑えるために利用されています。
開口端補正について
実際の空気の振動は、ポートの出口ぴったりで止まるわけではなく、少し外側まで漏れ出して振動します。 そのため、音響的には物理的な長さ $L$ よりも少しだけ長く見えます。これを「開口端補正」と言います。 ポートの半径を $r$、直径を $d$ とすると、一般的に $L_{eff} = L + \delta$ となり、補正係数 $\delta$ はポートの形状や周囲の状況(バッフル板があるかどうか)によって異なります。 一般的には $0.6d \sim 0.85d$ 程度の値が加算されます。