FeverPAINスコア計算機
この喉の痛み、溶連菌?ウイルス?抗菌薬が必要かどうかを5つの質問でチェック。
診断支援結果
「のどが痛い」という症状で受診する患者さんの多くはウイルス性(風邪)ですが、中に「溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)」による細菌性咽頭炎が混ざっています。溶連菌の場合はリウマチ熱などの合併症を防ぐために抗菌薬(抗生物質)の治療が有効ですが、ウイルス性の場合は効果がありません。
この見極めのために、英国などで広く使われているのが FeverPAIN Score です。従来のCentor Scoreよりも感度・特異度ともに優れているとされ、特に「早期受診(症状が激しい)」や「扁桃の炎症度合い」を評価に組み込んでいるのが特徴です。
1. FeverPAINの5項目
それぞれの頭文字をとって名付けられています(PAINの部分)。
- Fever (発熱): 38℃以上の発熱。細菌感染を示唆します。
- Purulence (膿): 扁桃腺につく白い膿。溶連菌の特徴的な所見です。
- Attend rapidly (早期受診): 症状が出てから3日以内の受診。ウイルス性は徐々に悪化することが多いのに対し、溶連菌は急激に強い症状が出ることが多いためです。
- Severe Inflamed tonsils (重度炎症): 単なる発赤ではなく、強い腫れを伴う炎症。
- No cough or coryza (咳・鼻水なし): 咳や鼻水はウイルス性(ライノウイルスやアデノウイルスなど)の典型的な症状であり、これらがないことは逆に細菌性を示唆します。
2. スコアの解釈と推奨アクション
合計スコア(0〜5点)に基づいて、溶連菌感染の確率と推奨される対応が異なります(Little et al, BMJ 2013)。
- 0-1点(低リスク): 溶連菌の確率は13〜18%。基本的に抗菌薬は不要です。対症療法(鎮痛剤など)で様子を見ます。
- 2-3点(中リスク): 確率は30〜39%。「遅延処方(Delayed Prescribing)」が推奨されます。処方箋は渡すが、「3日経っても症状が改善しない場合」や「悪化した場合」にのみ薬局に行って服用を開始するという戦略です。
- 4-5点(高リスク): 確率は62〜65%。重症度が高い場合、即時の抗菌薬投与を検討します。
3. Centorスコアとの違い
Centorスコアは「発熱、咳なし、前頸部リンパ節腫脹、扁桃白苔」の4項目で評価します。FeverPAINは、リンパ節腫脹の代わりに「早期受診」と「炎症の強さ」を見ており、これにより軽症の溶連菌を見逃しにくく、かつ不要な抗菌薬投与を減らすことができるとされています。
4. 日本での活用について
日本では迅速抗原キット(のどを綿棒でこする検査)が広く普及しているため、スコアだけで抗菌薬を決めることは少ないかもしれません。しかし、検査キットが手元にない場合や、検査前確率を見積もる(検査をする価値があるか判断する)ために、このスコアは非常に有用です。
5. まとめ:賢く使い、耐性菌を防ぐ
「のどが痛いからすぐ抗生物質」という時代は終わりました。FeverPAINスコアを活用し、本当に必要な時だけ抗菌薬を使うことで、自分の体を守り、社会全体の薬剤耐性菌問題にも貢献することができます。
Gojikaraは、エビデンスに基づいた医療判断をサポートし、あなたの健康リテラシー向上をお手伝いします。