EPDS (エジンバラ産後うつ病質問票)
過去7日間の心の状態を振り返る。誰にも言えない重圧、ひとりで抱え込まないでください。
測定結果
出産という大きなライフイベントの後、お母さんの心と体には想像以上の負担がかかります。ホルモンバランスの激変、睡眠不足、そして「母親なんだから頑張らなければ」という社会的・自己的なプレッシャー。そんな中で、多くの女性が直面するのが「産後うつ(Postpartum Depression)」です。
この 「EPDS (Edinburgh Postnatal Depression Scale:エジンバラ産後うつ病質問票)」 は、世界中の医療現場で最も信頼されているスクリーニングツールです。本記事では、スコアの意味から、産後うつとマタニティブルーの違い、そして「助けて」を言うことの大切さについて、Kaori Suzuki が深い配慮を持って専門的に解説します。
1. EPDSとは何か:心の体温計
EPDSは、1987年に英国で開発された10項目の質問票です。従来のうつ病診断テストと異なり、「疲れやすい」「不眠」といった授乳期には当たり前に起こる身体的症状を除外し、感情面にフォーカスしているのが特徴です。質問は過去1週間を振り返る内容になっており、合計点数が高いほど、産後うつ病の可能性が高まっていることを示します。
2. スコア判定の真実:9点と13点の壁
日本の医療現場では、一般的に以下の基準で判定が行われますが、自治体や産院によって多少の変動があります。
- 0〜8点: 現時点では心理的な負担は標準の範囲内とみなされますが、不安があれば周囲に話しましょう。
- 9点以上: 産後うつの始まり、または強い不安状態にある可能性が高いとされます。保健師や産院での面談が推奨されるレベルです。
- 13点以上: 抑うつ状態がかなり強く、専門医(精神科や心療内科)による確定診断と適切なケアが必要な段階と考えられます。
※重要なのはスコアそのものよりも、 「質問10番(自傷念慮)」が0点以外(1点以上)である場合 です。この場合、トータルスコアが低くても、すぐに専門機関や信頼できる周囲の人に相談する必要があります。
3. マタニティブルーとの違い:いつまで続くのか?
産後数日の間に涙が止まらなくなったり、イライラしたりするのは「マタニティブルー」と呼ばれ、全産婦の30〜50%が経験するごく一般的な現象です。ホルモンの影響が大きく、1〜2週間で自然に落ち着きます。
一方で「産後うつ」は、産後数週間から数ヶ月後に現れることが多く、数週間経っても症状が改善しない、あるいは悪化していくのが特徴です。「赤ちゃんが可愛く思えない」「自分がダメな母親に思えて消えたくなる」といった強い自責感や虚無感が続きます。これは本人の性格や努力不足ではなく、脳内の伝達物質の不均衡や環境要因による「病気」です。
4. 「助けて」と言えないお母さんへ
「自分さえ頑張れば」「みんなやっていることだから」と、自分を後回しにしていませんか?産後うつ病は、早期に対応すれば必ず良くなる病気です。一人で抱え込み、症状が悪化すると、本人はもちろん、赤ちゃんの発達や家族関係にも影響を及ぼすことがあります。
- 家族への相談: 「今、とても辛い」とシンプルに伝えてください。家事の代行や、短時間の外出だけでも心は救われます。
- 専門機関の活用: 産婦人科の再診、各自治体の「保健センター」や「子育て世代包括支援センター」での保健師面談、24時間対応の子育て相談ダイヤルなど、日本には多くの支援制度があります。
- 自分を許す: 完璧な母親である必要はありません。今日一日、子供を死なせずに生活できただけで、あなたは素晴らしい仕事を成し遂げています。
5. シミュレーターの役割
当シミュレーターは、病院で受ける検査と同じ項目を匿名でチェックできるようにしたものです。結果をプリントアウトしたり、画面をパートナーに見せることで、「今、私にはサポートが必要なんだ」という意思表示のツールとして使ってください。
お母さんの笑顔は、お母さん自身の心の余裕から生まれます。あなたが健やかでいることが、赤ちゃんにとって最大の幸せです。Gojikaraは、孤独な育児と戦うすべてのお母さんのメンタルヘルスを、心から応援しています。