デューク・トレッドミル・スコア

トレッドミル試験のスコアを計算します。

計算結果

デューク・トレッドミル・スコア(DTS)とは?

デューク・トレッドミル・スコア(Duke Treadmill Score: DTS)は、運動負荷試験(トレッドミル検査)の結果を用いた複合的なスコアで、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)が疑われる患者の診断および予後予測に広く使用されています。1991年にDuke大学の研究チームによって開発されました。

計算式と要素

DTSは、以下の3つの要素から算出されます。

DTS = 運動時間(分) - (5 × ST低下量(mm)) - (4 × 狭心痛指数)

各要素の解説

  1. 運動時間 (分): Bruceプロトコルによる運動持続時間です。運動耐容能が高いほどスコアは高くなります。
  2. ST低下量 (mm): 運動中または運動後の心電図における最大のST部分の低下量(下降型または水平型)。ST低下が大きいほど虚血の可能性が高く、スコアは低くなります。
  3. 狭心痛指数 (Angina Index): 運動中に胸痛が生じたかどうかをスコアリングします。
    • 0点:狭心痛なし
    • 1点:狭心痛あり(試験を制限しない程度)
    • 2点:狭心痛により試験を中止

リスク分類と予後予測

算出されたスコアに基づいて、患者を以下の3つのリスク群に分類し、5年生存率を予測します。

1. 低リスク群 (Low Risk)

  • スコア: ≧ +5
  • 5年生存率: 99%
  • 解説: 大部分の外来患者がここに属します。侵襲的な検査(カテーテル検査)を行わずに経過観察することが推奨される場合が多いです。

2. 中等度リスク群 (Moderate Risk)

  • スコア: -10 〜 +4
  • 5年生存率: 95%
  • 解説: 追加の検査や、症例に応じた慎重な判断が求められます。

3. 高リスク群 (High Risk)

  • スコア: < -10
  • 5年生存率: 79%
  • 解説: 重篤な冠動脈病変(3枝病変や左主幹部病変など)を有している可能性が高く、早期の心臓カテーテル検査や治療介入(PCIやCABG)が検討されます。

検査の適用と限界

このスコアは、安静時心電図に異常がなく、十分な運動負荷がかけられる患者に最も有効です。高齢者や運動機能に制限がある患者、あるいは安静時からST変化がある患者には適用が難しい場合があります。最終的な診断は循環器専門医が総合的に判断します。